きみのくちびるは誰のもの?

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「.........っ、いや、だから1人で帰れる、からっ、」 〝怖い〟 そう、直感的に思った時には遅くって。 (.........っ、誰か、助けてっ、) ギュッと目を瞑りながら、 そう心の中で、叫んだ瞬間。 「嫌がること、へーきですんな」 ふわりと耳元に届いた聞き慣れた声が届いて。 安心して、瞳から涙が溢れたと同時に。 ──────グイッ!と、 素早いけど、優しく後ろに引き寄せられた。 でも..................... 「うわっ、なんだよ! 俺は、クラスメイトだし送ろうと!!」 負けないように、 私を取り戻そうとしている倉本くん。 だけど。 「うん。嫌がってるのに送るのはない。 つまり、ケーサツ呼ばれたい?」 いつもよりうんと低い、 智くんの声が聞こえると。 「ひっ、!失礼しましたーーー!!」 倉本くんは、 血相を変えて逃げて行った..................
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