きみのくちびるは誰のもの?

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きみのくちびるは誰のもの?

「......ずは、......ずは、......ずは!」 「..................、」 「梓葉ってば!」 「え、ごめん、なに?」 「なに?じゃないよ! もう4時間目終わったよ!」 「.........、あー、ごめん、」 春の風が静かに、 日々が過ぎていく、4月。 この春、私、 夏目梓葉(なつめあずは)は高校2年生になった。 そして............たぶん、 さっき、ボーッとしていた、と思う。 「梓葉ってば、最近元気ないねぇ」 「うーん、そんなことないと思うけど、」 「まーた、例の幼なじみくんの悩み?」 「............っ、かも、しれない、」 「好きでも告白出来ない彼ねぇ、」 机に肘をついて、 私を見つめて話しを聞いてくれるのは、 親友の、中川和紗(なかがわかずさ)。
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