世界最後の日に、

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目の前には、 健ちゃんが目を瞑っている顔。 私が言おうとした、 〝好きな人教えてよ!〟は声にならなくって。 「..................うるさかったから、塞いだ」 代わりに頭上から聞こえてきたのは、 いつもより、少し低い健ちゃんの声。 「〜〜っ、意味、分かんないし、ばか、」 なにもかも分からなくって、 そう言って、そのまま見上げれば。 「バカで結構。俺は小説読んで、 キスするならまつりって思ってただけ」 うん。すっごい、真顔で言ってる健ちゃんがいる。 「〜〜っ、好きじゃないのに?」 「いや、好きですけど?」 「じゃあ、〝好きな人〟って.........」 「うん。まつりのこと」 健ちゃんって、イジワルだし、 真顔で言うから、分かりにくいとこあるのに。 「〜〜っ、やばいっ、 それは、ドキドキ、しちゃう、」 根本は優しくって、暖かい人。
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