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何日かして、お兄さんに会ったので
「どうだった?」「しっかり慰めてあげた?」
と聞いたら、
「多分・・・よかったかも」って言っていた。
「わ、喜んでた?」「もう来ないって言ってた?」
「あのね、昨日、ユーレイさんがお別れを言いに来たんだ」
「えーっ!」「すごーい!」
「家族みたいに楽しく過ごせて嬉しかったって。気が済みました。もうアチラの世界に戻りますって」
「わー!よかった!」「ばんざーい!」
「うん、よかった」
お兄さんはホッとしたような、ちょっと寂しそうな、微妙な表情だった。
ボクもヒロ姉ちゃんもちょくちょく公園に行って桜に話しかけた。
「さくらさん、こんにちは!」「さくらさん、良いお天気だね」「桜さんのお陰で、今年も桜まつりが楽しかったよ」「桜さんの花はきれいだね」「僕たち、桜さんのことが大好きだよ」「さくらさん、これからも綺麗な花を咲かせてね」
僕たちが話しかけると、桜さんはサワサワと葉っぱをゆすって、返事をしているみたいだった。
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