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⑩
「善哉善哉。ただ、そなたが人子である限り、種種の罪事を犯すであろう。その時は、また、そなたの太祝詞を奏上せよ。心のこもった歌や言葉を奏上せよ。さすれば、また祓い清められる。そなたがよりよく生きるには、この繰り返しである」
「わかりました。これからは、自分を嫌ったり恥じたりせず……。確かにこれは、難しいけど、頑張ってよりよく生きていきます」
「エクセレント。素晴らしいでーす。命。ミーは、いつもユーを、見守ってますよ」
「ありがとうございます。ミッシェルさん」
でも、ミッシェルさんて何者だ? 弁天様は神様だけど、ミッシェルさんて……外国の神様? まあいいけど。会えて嬉しかったのは事実だ。
「さて、お遊びもここまでじゃ。帰るとするか」
弁天様は、立ちあがって伸びをして琵琶を持つ。ミッシェルさんもスカートの塵を払う。
なんだろう、ただならぬ気配に、あたしは後ろを振り向いた。
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