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「これは……」  不思議がるあたしを見て、弁天様が口を開く。 「そなたは太祝詞(ふとのりと)を、奏上(そうじょう)したのじゃ」 「あたしが、『ミッシェル』を歌ったことですか?」 「うむ。それが、そなたの太祝詞じゃ。太祝詞を奏上したことによって、そなたの犯した様々な罪事(つみごと)はことごとく(はら)われた。罪事は、花びらが持ち去ってくれた。川の流れの中に、川は海に流れ全てを消し去ってくれる。そなたは、今、(きよ)められた」 「え、そうなんですか。たいそうな罪は犯してないとは思いますが、それが清められたなら、また前向きに生きて行けますよね」 「そうじゃ。罪とは自らを嫌ったり、恥じたりすることことから生じる。これが()り固まり、そなたの心身、そなたの全存在を犯すのじゃ。だが安心せよ。ことごとく罪事は、散り去った」 「あ、ありがとうございます。そういえば、最近、なあんとなく体調が悪かったりしたんですよね。イライラしたりもあったし。今はスッキリしています」  あたしは、調子に乗ってガッツポーズをとったりする。
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