1. みじめなお花見と、『花見』

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1. みじめなお花見と、『花見』

 満開の桜につられて誰もが笑顔をほころばせるなか、私だけが下を向いていた。  足元に積もる花びらは多くの人に踏みつぶされて、薄ピンクというより茶色に近い。 (今の私みたい。咲茉(えま)なんて、名前に咲の字が入ってるくせに)    ふと浮かんだ心の声に、メンタルが地を這ってるなと自覚した。
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