「絶対に秘密だよ」

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   私は悪魔。人間は忘れているかもしれないが、人間と鬼ごっごをしている。もちろん私が鬼役。    私は鬼役だが、なかなか人間を捕まえることが出来ない。それは、私の足腰が弱いから、なかなか追いつけない。私は手が震えているので、なかなかしっかりと掴めない。私は目が弱く、ぼやけて見えるので、人間を認識することが難しい。  だから私は、人間を待ち伏せしている。  「僕は神様に認められて者なんだ。だからみんな、もっと賞賛しろ。もっと尊敬しろ」    おっと、あそこに一人の人間が声高らかに叫んでいる。一回、神様に会ったくらいで、傲慢になって自分を必要以上に大きく見せている。ありがたい。私の目でも認識しやすいし、私の手でも捕まえやすい。それに、みんなの注目を浴びるのに一心で、自身は停滞し動かないでいてくれる。私の足でも追い付けそうだ。  私は隠れながら人間に忍び寄る。     私の隠れている場所は自己顕示欲。  私の隠れている場所は、絶対に秘密だよ。
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