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「これがあなたの最高傑作とやらの全力ですか……」
落胆気味の溜息をつくカーリィ。
『……ならば!』
ラーヴィは何度も打ち合わされた斬り結びと鍔迫り合いの後に距離を取る。
そして、
『これならどうだ!!』
ドゥルガの多碗がすべての武器を手放すと同時にそれぞれ印を組む。
後光輝く神像にも見える姿だ。
『……複合術……一転集中!!』
ラーヴィが唱えた呪文に呼応し、周囲に現れた無数の光弾、火球、氷塊が手放された武器とともにカーリィに向けて放たれた。
「杖も無しに……人の身で複数の魔術を同時に!?」
さすがのカーリィも驚きを隠せない。
『あたしが魔女技師だと言う事を忘れていただろ』
その言葉と同時に、飛翔武器がカーリィを襲い、それを自身の武器で防ぐものの続く氷塊が炸裂、足を凍らせ、直後に光弾の命中が衝撃を与え、最後に火球が大爆発を起こす。
それを見届けたラーヴィが言い放つ。
『……今のあたしは人間とは違う演算システムを備えている……
加えて、魔導甲冑ドゥルガは魔術の発動体と増幅装置も兼ねているから、こんな芸当も出来るんだ!!』
自慢するラーヴィだが、油断はしていない。
実際、晴れゆく爆炎の中で、額の第三の目を輝かせるカーリィが平然と佇んでいた……
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