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しかしそれは、魔女技師の予想通り……
そして……
とん、とん、とん、とん、とん……
それは、カーリィがステップを踏む音だった……
『いよいよ本気の本気で来るか……』
ラーヴィは警戒するが、そも、これこそが[策]の要であった。
――今のあいつは造りが[人]……
ならば、
――その身体構造だけでなく精神構造も[人]に近いはず……
で、あれば……
――あの[矛盾する心]を制御できれば……!!
ラーヴィの中で考えが纏まったと同時に、カーリィが動いた。
ステップから入り、刀を手にしたままの両手、そして周りの腕が持つ武器全てをゆらゆらと泳がせるように――
片膝を立てて腰をひねりその場で回転――
時に向きを変えてそれらの動作を繰り返し――
時に飛鳥の如く飛び跳ねる――
その顔に、悦びの笑みを浮かべ――
同時に哀しみの涙を流しながら……
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