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故に……
『やはり、方法は一つしかない……か……』
覚悟を決めたラーヴィは、その場で一つの魔法陣を描き始める。
それは、素人が見れば、この場の曼荼羅にも引けを取らない複雑な……
しかしラーヴィにとっては、この場の曼荼羅と比べて足元にも及ばない、拙きもの……
外部取り付け式の[制御盤]とでも呼ぶものだった……
そして、その回路の中心は、ラーヴィ自身……
『……乗っ取るつもりが、自分からすすんで取り込まれる羽目になるとはな』
皮肉を込めながら、淡々と作業を続ける。
しかし同時に……
『……ここに陣取れば、いつかは神話時代の謎にも迫れるかもしれん』
と、前向きに考えた。
『まぁ、知ったところで誰にも自慢できないことになるがな……』
そう自嘲しながら……
そして[回路]が出来上がったその時……
「……どうか、[私]を頼みます……」
そんな声を、ラーヴィは確かに聞いた……
転瞬、意識は失われた……
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