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カーリィの[拳]がガスパールの顔面を直撃したのだ。
か弱い筈の乙女の拳……
それを魔導甲冑の鉄籠手と、増幅された膂力が文字通りの[鉄拳]へと変化させたのだ。
正面から顔面を殴り飛ばされ、ガスパールは地に伏した……
そしてこの一撃が、戦いを終わらせた……
『……斬られる直前に、武器を全部[消した]のか……』
少しの間の後に呟いたラーヴィの言葉通り、カーリィは武器をすべて消したのだ。
そう、まさに……
「……卑怯者め……騙したな!?」
痛みに悶絶しながらも、憎々しげにカーリィを睨むガスパール……
「……その言葉が聞きたかったのです。お互いさま」
そう返したカーリィ……面頬の下は意地悪な笑みを浮かべていた。
『……あはははははは……!!』
事態にようやく気付いたラーヴィが大笑いする中、哀れな近衛騎士が意識を手放していた……
『カーリィ、お前……意外と性格悪いな……』
「破壊と殺戮の女神……らしいですから、私……」
そんな声を聞きながら……
つづく
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