帰還……そして新たなる冒険へ……

2/13
前へ
/153ページ
次へ
「……カーリィ?……ほんとにカーリィなの!?」    都市ターゼン、冒険者ギルド――  ガスパール一行が出発した翌日、追跡の為の冒険者をどうにか手配し、準備を整え出発する直前……  サルーンに現れた、甲冑姿に旅装の外套を纏う少女がカーリィであることを、リアナは何度も確かめる。 「ご心配をおかけしました……」  面頬を上げて顔を見せてから、リアナをはじめ集まってきた冒険者たちに頭を下げるカーリィ。 「無事で何よりだけど、その恰好は……まさか、それが魔女技師の[最高傑作]……!?  ……なんてことは、無いわよねぇ……」 『その[最高傑作]だが、何か?』 「ヨロイガシャベッタ―――!?」  リアナの言い様にへそを曲げたのか、ぶっきらぼうに答えるラーヴィ。  しかし、リアナをはじめ周りの冒険者は驚きを隠せない。 「これが、本当にラーヴィの最高傑作……!?」 「すげぇ、よく見ると文様一つ一つが強力な術式を形成している……」 「お、俺にもよく見せろ……!?」  カーリィの周りに群がる冒険者…… 「ちょっ、ちょっと皆さん落ち着いてください……!?」 『えぇい、寄るな触るなあっちに行け―――っ!!』  詰め寄られて困惑するカーリィと、ウンザリするラーヴィの声がサルーン内に響く。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加