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「……カーリィ?……ほんとにカーリィなの!?」
都市ターゼン、冒険者ギルド――
ガスパール一行が出発した翌日、追跡の為の冒険者をどうにか手配し、準備を整え出発する直前……
サルーンに現れた、甲冑姿に旅装の外套を纏う少女がカーリィであることを、リアナは何度も確かめる。
「ご心配をおかけしました……」
面頬を上げて顔を見せてから、リアナをはじめ集まってきた冒険者たちに頭を下げるカーリィ。
「無事で何よりだけど、その恰好は……まさか、それが魔女技師の[最高傑作]……!?
……なんてことは、無いわよねぇ……」
『その[最高傑作]だが、何か?』
「ヨロイガシャベッタ―――!?」
リアナの言い様にへそを曲げたのか、ぶっきらぼうに答えるラーヴィ。
しかし、リアナをはじめ周りの冒険者は驚きを隠せない。
「これが、本当にラーヴィの最高傑作……!?」
「すげぇ、よく見ると文様一つ一つが強力な術式を形成している……」
「お、俺にもよく見せろ……!?」
カーリィの周りに群がる冒険者……
「ちょっ、ちょっと皆さん落ち着いてください……!?」
『えぇい、寄るな触るなあっちに行け―――っ!!』
詰め寄られて困惑するカーリィと、ウンザリするラーヴィの声がサルーン内に響く。
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