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「……で、[これ]はどうするの?」
『[これ]扱いするな!!』
無礼な受付嬢に憤慨する兜、それをそっと自分の前に置き直すカーリィ。
「ラーヴィさん……あなたは昔、ドゥルガ女神について研究していたのですよね……」
「……まぁ、そうだな」
真剣な目で見つめるカーリィに、言葉を濁すラーヴィ……
「私は自分の出生が知りたい……その為に冒険者になりました。
だから、神話におけるドゥルガ女神の痕跡を辿って行けば、いつか真実に辿り着ける……
そんな気がしてならないのです……」
カーリィ出生の経緯を帰りの道中で聞かされていたラーヴィだが、
「あたしが研究していたのはドゥルガ女神の戦闘能力だけだ。足取りなんぞ知らん」
そう嘯きつつも、
――当の[本人]は忘れたがっていたしなぁ……
と、すべてを知る身として複雑な心境だった。
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