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そんな中……
「……私は何をすればよいですか?」
と、一人の少女がカインに向け、遠慮がちに話しかける。
「危険だから、君は僕たちの後方で待機していてくれ」
「……わかりました」
旅装の外套で体を覆った少女は素直に従うようだ。
「まぁ、[荷物持ち]に危ないことはさせられないからねぇ……」
そう言って少女に目を向けるカロリーナ。
「でも、[武器召喚]とかいう魔法が使えるって言っていたぜ?」
「どんなものかもわからないのに、頼りにして良いものかどうか……」
「まぁ、自分の身を守れるくらいには使えるらしいから、私たちの手間がかからなくていいけど……」
ジャックウィルとミシェール、カロリーナの言い分、扱いからすると、この[荷物持ちの少女]は臨時雇いのメンバーのようだ。
「不可解な点はあるが、目撃者の話によると兇賊はここを根城に活動していることは間違いない……
そして今は全員があの中に居ることもわかっている……
総数は親玉含めて二十人程度だが、魔術師はいないらしい。
今の僕たちなら作戦通りに行けば十分戦えるはずだ。
……一気に片をつけるぞ!!」
カインの号令の下、五人は慎重に遺跡の入り口へと侵入していく……
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