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「ひどくないですか?」
「あぁ、ひどいな」
「付き合って半年記念日ですよ?なのに、その日に別れを切り出すなんてひどいですよね!?」
「あぁ、たしかにな」
主任の忠告を
聞かなかった私は
完全に酔っ払ってしまい
黙って話を聞いてくれる主任に愚痴をこぼしていた。
「……私、頑張ったんですよ?今度こそはと思って相手の理想の女性を精いっぱい演じたんです。」
「理想の女性ねぇ……」
「なのに、最後の最後で言われたんです。私といると疲れるって……」
「俺は楽しいけどな、高城といると」
そう言いながら
私の前に座る久城主任は
テーブルに片肘をついたまま
あいている反対の手で私の頭を優しく撫でてくれた。
「あーあ。久城主任が私の彼氏だったら良かったのになー。そしたら、こんな辛い思いしなくてすむのに……」
「いいよ」
「え?」
「……じゃあ、俺と付き合ってみる?」
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