5/10
前へ
/111ページ
次へ
「俺と付き合う?」 「な、なに言ってるんですか!そうやって冗談半分にからかうの」 「冗談半分だって、どうして思うんだ?」 私のことを まっすぐと見つめる 久城主任の瞳が私の瞳を捉えて離さない。 「……私と主任はただの上司と部下で」 「お前は上司として俺のことを見てたかもしれないけど、俺は高城のことただの部下って括りだけでは見てないぞ。いつも付け入る隙を狙ってたからさ」 たしかに 主任と恋ができたら 自分を偽る必要がないから 仮にそうなったとしたら 色々楽だろうし幸せだろうなって そう考えたことが一度だってないわけではない。 「俺のこと嫌い?」 そう聞かれて 私は左右に頭を振った。 嫌いなわけない…… いつも、どんな時でも 久城主任は私の味方でいてくれた。 私が周りから 誤解されてアウェー感に苛まれても 主任だけは 双方の話を聞いて きちんと正しい判断をしてくれる。 そのおかげで挫けそうになった時も 主任が味方でいてくれたからこそ私は立ち直ることができた。 .
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加