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「まずはお試しってことでどう?」 「え?」 「……そうだな。期間は3ヶ月、お試しで付き合うっていうのはどうだ?」 なかなか 煮え切らない私を見て 主任はそう打開策を提案してきた。 「……もし、3ヶ月で私の気が変わらなかったら、その時はどうるんですか?」 「そんなこと考えてない」 あっけらかんに 顔色ひとつ変えずに そう言ってのけた 主任に私は耐えきれずに笑がこぼれた。 「もう、主任ってばそこが一番重要なことなのに」 「……やっと笑った」 「え?」 「昨日からほたるの笑顔見てなかったからな、ようやく見れて嬉しいよ」 主任は いつもこうして 知ってか知らずか 思い悩む私を笑顔にしてくる。 そんな主任からの告白は すごく嬉しかったしこの上なく幸せで名誉なことに思う。 けれど 今の今まで 主任のことを異性として 恋愛対象として見たことがなかったから 今も夢かなって思うし 正直、急な展開に戸惑ってもいるのもまた事実で 「そうやって笑ってろよ」 「そ、そんなにいつも笑ってられませんよ。」 「それでも、ほたるは笑ってたほうがいい。笑顔の ほうがほたる似合ってるし、可愛い」 「か、かわっ」 .
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