2/11
122人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「はぁぁぁ……」 「なによ、高城。朝からため息なんて。まさか、またフラれたの?」 「……そうなの」 始業前。 自販機の前で 盛大にため息をつけば 同期の内藤綾子が声をかけてきた。 昨日は 付き合って半年の記念日で 少しお高めの レストランを予約して 待っていたけれど 彼は約束の時間を過ぎても現れず 不思議に思ってスマホを見れば "別れよ"と彼からメッセージが届いていた。 「また、フラれた……」 「まあまあ、元気だしなって。次よ次、まだチャンスはあるわよ」 昔から 根っからの負けず嫌いで 一度決めたら最後までやり抜く性格。 欲しいものは 手に入れるまでどんな努力も惜しまなかった。 今回の恋だって 今までの失敗を踏まえて 彼に嫌われないように 必死に自分を偽ってまで彼に尽くしていたのに 私へと 待っていたのは いつも同様、フラれる時の お決まり言葉''ほたるといると疲れる"だった。 .
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!