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「さてと、どこ行く？」
あれから
身支度を終えた主任は
私のことを
アパートまで車で送ってくれ
待っているから
着替えてこいと言われ
着替えて化粧をして
再び主任の待つ車へと戻るなりそう聞かれた。
「えっと……主任はどこに行きたいですか？」
そう聞けば
運転席に座る主任は
私のことを睨みつけたあと
なにかを察したのか大きくて深いため息をついた。
「あ、あの」
「いつもそうやって聞いてるのか？」
「……」
これは私の
お決まりのセリフ。
出かけるってなったら
まずは相手に
どこに行きたいかをたずねて相手が
行きたいところに行くのがいつものパターン。
「……俺はお前に聞いてんの。どこに行きたい？この時間ならどこでも行けるし、行きたいところに連れてってやるよ」
こんなふうに
私の意見を
聞いてくれる人は初めてで……
「えっと……じゃあ、水族館に行きたいです」
相手の反応を伺わずに
自分の行きたいところを答えれば
小さく笑みをこぼした
久城主任は"了解"と短く返事をして車を走らせた。
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