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「そうですね……あ、ペンギンみたいです!でもイルカも見たいし、くらげも見たいです!」 「クスッ、落ち着けって。」 「す、すみません。つい、はしゃいでしまって」 こうやって 自分の 好きなように決めることが こんなにも楽しいってことを今の今まで 知らなくてつい子供のようにはしゃいでしまった。 「安心しろ全部行くから。……じゃあ、まずはペンギンだな」 「はいっ」 繋がれた手から 感じる総士さんのぬくもり。 大きくて あたたかい手…… さっきまで緊張から いっぱいいっぱいで余裕なんてなかった。 でも それに 気づいた総士さんが さり気なく 私の緊張を解きほぐしてくれた。 こんなにも文句の つけようがないほどのパーフェクトな人が 誰からも 選んでもらえない欠陥だらけの 私を好きになってくれたのかよく分からない。 考えたいこと 総士さんに聞きたいこと 他にもたくさんあるけど、今は…… 「あっ、いましたペンギンです!」 今だけは 何も考えずに 総士さんの優しさに甘えて 今、この時間を純粋に楽しみたい…… .
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