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「私、恋にむいてないのかな……」 「いやいや、高城は色々とこじらせすぎてるだけよ。あっ、ほらほら、チャイムなるわよ」 そう言われて 時計を見れば あと数分で始業のチャイムが鳴る。 「……よし」 やるせない 気持ちの中でも仕事は仕事。 ウダウダした気持ちを 一旦忘れて表情を仕事モードへと切り替えた。 「おー、さすが、ハガネの高城。」 「やめてよ、そうやって呼ぶの」 キリッとした パンツスーツを着こなし 長い髪を後ろでキツくポニーテールで結い 仕事中は 一切の妥協を許さない 私のことを社内の人は "ハガネの高城"と呼んでいるらしく ほんとうに つくづく自分には不似合いな あだ名が勝手につけられて定着していくなって思う。 あだ名が つけられるたびに 私はまた自分を 偽らないといけなくなるのに…… .
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