Side メイ

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 そうして落ち込んだ私は下降を続ける気分のまま、ここで私があんたを引っ張りださなきゃ収集つかなかったでしょなんていう貴乃の言に従いファミレスでトロピカルサンデーを奢らされていた。 「貴乃、どうしよう、か」 「どうするべきか、ねぇ」 「いやでもさ、決心してコクったのは事実だし、返事はもらわないといけないと思うわけ」 「いやまあそれは正論かもしれないけどさぁ。今日はそのすべての正論を覆す日だから」  なんとなく机に突っ伏した。  エイプリールフールに告白、それは確かに、真意が読めないかもしれない。むしろ常識的に考えれば罰ゲームとかの可能性が高いのでは?  シクった。  私と亮平は幼馴染だ。家は3軒隣だし、小中高どころか保育園も同じだった。そんな勝手知ったる亮平にエイプリールフールに告るとどうなるか。  頭の中にもややんと空想的吹き出しが浮かび、その中に亮平をいれてみる。  その結果吐き出されたのは先程と同じようにあわあわとする亮平。  ……困るだろうなぁ。  本気かどうか判断つかないだろうなあ。私と亮平の関係といえば、大抵が私が寄り切っている。  なんとなく自分の正気すら疑わしくなり、貴乃を見上げれば、こいつもうどうしようもねぇわという心の声すら聞こえてくる。 「明日改めてコクるよ」  恥の上塗りだと思いながらそう呟くと、貴乃は顔をしかめた。どういう反応なの、それ。 「あのさぁ、あの場はあんまりにもあんまりだったから引きずりだしたけどさ、あんたそれでいいの?」 「それって?」 「十何年こっそり好きだったんでしょ? それがエイプリールフールだから翌日にコクリましたっていうエンドで満足できるわけ?」  痛いところを突く。 「いやそりゃぁ嫌だけどさ。じゃあどうするっていうの」  貴乃はニヤリと微笑んだ。性格悪そうに見えるやつだ。 「まあこの貴乃さんが人肌脱いでやるよ」 「えっと、それってエイプリールフールネタ?」 「うっせぇ。とりまちょっと考える」  そう呟いて、貴乃はスマホをとりだし、ぷちぷちとメールを始めた。
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