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でも、もう触れてほしくて待っている部分には触れない。
私は思わず腰を浮かせてしまう。
「んん……」
「こういうの、珍しいな」
と、総レースのショーツを指先で撫でた。
「う、ん。いちお、ワンピに合わせて、みた」
普段はコットンがメインのシンプルな下着ばかりだったけど、総レースは下着のラインが目立ちにくいと言うし、実用的なことを考えた方が大きい。
それでも実際いつもの下着よりはずっとセクシーに見えるし、そんなショーツの上から腰のまわりを指先だけでするりと撫でられて、それだけなのに言葉はとぎれとぎれになってしまう。
「僕の知らないところで、こんなセクシーな下着をつけてるなんてね」
「や、そーいうの、やらしいって」
「全部、知っていたいって思うのは、身勝手かな」
と、ちょっと肩をすくめる。
「でも、そんなの」
「そう、無理なんだけど。わかってるよ、それくらい」
「でも」
私もそう思うときはある、って言いたかったのに、唇がキスでふさがれて、
「んんん」
としか声が出せない。
「……ちょっと、酔ったかな」
「お酒飲んでたの?」
自分も少し飲んだから、お酒くさいとかはわからない。
「まあ、少し……少しかな?」
くすくす笑って、私の顔のあちこちに唇をあてる。
「あ、……」
胸に触れていた手が膨らみを揉み、その先端を爪先で引っかいたときに思わず声が出る。
「もっと聞かせて、なつの気持ちいい声」
と、固くなった先端を指先でつまみ、弾く。
「あっ……あ……」
彼の大きな手のひらにはすっぽりと包まれてしまうくらいの乳房をいとおしむように撫でて、柔らかく揉む。
「あっ……ん……」
顔に触れていた唇が首筋から鎖骨、肩、そして胸元に降りてその頂上にたどり着く。
「あっ…あ……」
舌先で舐め、口に含んで吸う。
強く吸われたときの少しの痛みが甘くせつなくて、もっともっとと身体がほしがる。
「ね……も……ほしいっ……」
思わず脚を彼に絡ませてねだると、ショーツの上からそっと指先が触れる。
「ここ?」
「ん…っ……そこ……あ…っ……」
ショーツの上から割れ目に沿って前後に指先を動かすけど、まだ足りない。
「すごい濡れてる。ショーツやばいな」
と言いながら、まだ脱がせてくれない。
「やぁ……だって……」
「気持ちいい?」
彼は顔を上げると、また私の頬にキスをして、唇を頬にあてたまま囁く。
「ん……」
「まだ、こんなんじゃ足りないだろ?」
「ん……もっと、あっあ…っ……!」
ショーツの脇から侵入した指が、濡れた肌をなぞる。
私は悲鳴にも似た声を上げて、必死に枕の端を握りしめた。
「ここに、ほしかった?」
今度は耳に唇をあてて、私の耳の中にだけ聞こえるような声で囁いた。
「んっ…そこ…っ……おねが……っ……」
ゆっくりと指をねじ込んで出し入れすると、やや粘着質な水音が部屋に響く。
「あっあっ、はぁ…っ……」
「なつ……」
名前を呼んで、深く口づけて。
長いキスのあと、ふと唇を緩めてほんの少しだけ触れ合わせたまま、
「……好きだよ」
と、そっと囁く。
その言葉に思わず目をパチパチと瞬かせると、彼は少し笑う。
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