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「巫女殿、いや、森野さん。相談があります。」 「なんですか、橘。」 「次の作戦は、非常に危険が伴います。私情でしか無いのですが、私はあなたには参加してほしくない。」 「巫女に行く場所など無いのです。もう誰かが傷つくのなら、私が死んだほうが良い。」 「そう思ってほしくないのです。あなたが我々の希望なのです。」 「目が潰れているのに!?相手も見つけられないのに!?」 「それでも、です!」 「軽はずみに言わないで!」 「決して軽率に慰めるために申しておりません。みな、あなた達巫女さまが美しく強く優しい心を持ち合わせているから、護りたいと思うのです!天野様もそのはずです!!」 「その名前を出さないで!!」  橘は思わず黙ってしまった。森野は目を伏せて、小さくつぶやいた。 「もう、私ごと忘れてもらうことにしたんですから、私も忘れることにしたんです。やめてください。」 「出過ぎた真似をしました。ですが…!」 「橘、下がってちょうだい…。」  涙が流れないそのガラス玉の透き通り方を見て、橘はただ下がるしかなかった。
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