ひとり

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 いつからか、いつ死んでもいいと思うようになった。  とりあえず、明後日死んでもいいように生きよう。そう思って生きてきた。今日できることは精一杯に。明日の予定を綿密に立てる。だから明後日お迎えが来ても、いいと思っていた。  その考えは変わらない。  いじめられた時も。  嫌だと言っているのにその叫びを笑って無視されたことも。  水をかけられた時も。  5歳なのに身内から酷い事を言われた時も。  周りから酷い言葉を投げかけられた時も。  馬鹿にされ、存在自体を全否定された時も。  私はひとりだった。  愛してる、大好きだよ。あなたは優しい。  周りはそういうけれど、何も響かない。  人の邪魔にならないように、自分を押し殺してきた。  たまに私が意見を言うとわがままと言われた。  何のために生きているんだろう。  どうして生を受けたからにはそれを全うしなければいけないのだろう。  死ぬチャンスはいくらでもあったはずなのに。  もっと早くに死ねばよかったと毎日思う。  あの日に死んでおけば。そうしたら、こんなに嫌なことに巡り会わなかったのに、と。  30歳になった。  どうやら私は生きていることに向いていないらしい。  気づくのが、とてつもなく遅かった。  3歳までは時々憂鬱に暮らしていた。  6歳までは唯一幸せだった。  15歳までは地獄だった。  22歳まで、辛かったのは美化したくない。今見れば恵まれていたけれど、あの時は確かに毎日が辛かった。自分を傷つけるほどに。  30歳まで、虚無のような日々を過ごしていた。穏やかと言われるかもしれないけれど、私にとっては静かな地獄だった。  私がおかしいのか、周りがおかしいのかわからない。きっと、多数決では私がおかしいのだろう。  6歳の春が、全てを変えてしまった。  神社で祈った。  もし、生きていたほうがいいのなら、そのサインをください。  もし、死ぬほうがいいのならいつでもあなたに命をお返しします。いつか会えるのを待っています。  明日はどんな1日が待っているのだろう。
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