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「お前のおかげで、我々が監視していることが気取られた。このことは、ベラナ師に報告させてもらうぞ」
「お好きにどうぞ。それと会いに行くなら、これを渡してもらえませんか?」
アルヴィンの手には、クリスティーから渡された紙袋がある。
「これは何だ?」
「犯人が現場に遺した遺留品です。これを鑑定すれば、犯人が誰かはっきりするでしょう」
「……分かった、渡しておこう」
「あと、確かめたいことがありますので。明日は、僕一人で行動させてもらいます」
それは流石に禁じられるかと思ったが、あっさりと受け入れられた。
もちろん条件付き、ではあるが。
「くれぐれも軽挙は慎めよ。今度同じ事をしたら、七日を待たずに教会から去ることになるぞ」
「分かっていますよ。ところで、審問官ウルバノ」
厄介事の気配を察したのか、ウルバノは不機嫌に睨んだ。
「まだ何かあるのか?」
「ただの質問ですよ。あなたは善良な魔女がいると思いますか?」
善良な魔女とは、自分でも矛盾したことを口にしているという自覚はある。
ウルバノの返答は、冷ややかなものだ。
「魔女は二通りいる。悪しき魔女と、善良を装った悪しき魔女だ。迷う前に撃て。そうしなければ、死ぬことになるぞ」
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