第1話 招かれざる見習い希望者

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「ご心配いただかなくても、七日以内に駆逐して参ります」 「結構。それでは、審問官ウルバノ」  老人の声とともに、背後の扉が開いた。  現れたのは、黒の祭服を着た長身の男だ。 「お呼びでしょうか?」 「この者に、力を貸してやりなさい」 「承知しました」  ウルバノと呼ばれた男は、ベラナに(うやうや)しく一礼する。  手がかりもなく調査を命じられると思っていたが……一応の助力はしてくれるらしい。 「私からは以上だ。それでは、神のご加護を」  用は済んだから早く帰れとばかりに、老人は十字を切る。  とにかく、最初の関門をクリアすることはできた。より厄介な課題を課されることになったが……  部屋を辞そうと、ドアノブに手をかけてアルヴィンは立ち止まった。  最後に、確認をしておくべきことがあった。 「一つ、質問が」  振り返り、ベラナを見やる。 「白き魔女を駆逐したのは、あなただとか?」  バタン、と厚い本を閉じる重々しい音が語尾を(さえぎ)った。  老人の双眸には、()()ましさが(あふ)れていた。 「根も葉もない、くだらん噂だ」  結局、一時間の間でベラナと視線が合ったのは、その一度きりだった。
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