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「ご心配いただかなくても、七日以内に駆逐して参ります」
「結構。それでは、審問官ウルバノ」
老人の声とともに、背後の扉が開いた。
現れたのは、黒の祭服を着た長身の男だ。
「お呼びでしょうか?」
「この者に、力を貸してやりなさい」
「承知しました」
ウルバノと呼ばれた男は、ベラナに恭しく一礼する。
手がかりもなく調査を命じられると思っていたが……一応の助力はしてくれるらしい。
「私からは以上だ。それでは、神のご加護を」
用は済んだから早く帰れとばかりに、老人は十字を切る。
とにかく、最初の関門をクリアすることはできた。より厄介な課題を課されることになったが……
部屋を辞そうと、ドアノブに手をかけてアルヴィンは立ち止まった。
最後に、確認をしておくべきことがあった。
「一つ、質問が」
振り返り、ベラナを見やる。
「白き魔女を駆逐したのは、あなただとか?」
バタン、と厚い本を閉じる重々しい音が語尾を遮った。
老人の双眸には、忌ま忌ましさが溢れていた。
「根も葉もない、くだらん噂だ」
結局、一時間の間でベラナと視線が合ったのは、その一度きりだった。
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