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「ッあぁ! ッや、め! 同時、やめ……あ、あぁ!」
「快人さん、もっと俺感じて……気持ち良く、しますから……」
「あ、あぁ、っは、あぁ!」
身を反らし彼の指を咥えこんで感じているのを隠せないまま俺は熱が下腹部に集中していくのを止められない。
がくがくと腰を揺らし、無意識に自ら求めるように光輝の方へ身体を押し付けてしまう。応えるように光輝の指も俺のナカを激しく執拗にまさぐり、やがて俺は震えながら彼の手の中に吐き出していた。
「ッは、あ、あぁ……」
「気持ち良かったですか、快人さん」
俺に覆い被さるように問うてくる光輝の目は潤み、欲情にギラギラしている。飢えたオオカミのようでいて、無邪気な幼子のようなその表情に、俺は愛しさを覚えてくすりと笑い、そっと抱き寄せて口付ける。
「ッはぁ……ッあ……よく、できたな、光輝……ご褒美、やるよ」
俺の囁きに光輝は嬉しそうにうなずき、俺にされるがまま今度は押し倒されて横になっていく。
横たわった逞しく大きな身体には肌着と下着だけが身につけられていて、俺はそのシャツの裾をそっと捲る。
「あッ……」
めくりあげた先の腹部に宛がわれた白いガーゼと包帯を目にした瞬間、俺は何とも言えない苦しさを覚えた。
きっと光輝は、もっと苦しくツラい痛みと戦っていたのだろうと思うと、俺がいま彼にできることなんだろうかと考える。
そして俺は、その白の上にそっと口付けをした。
本当は傷口を舐めてやりたかったのだけれど、さすがにまだ生々しい傷跡だろうから、衛生面とか考えるとこれが限界だろう。
想いを注ぎ込むように口付けてから顔をあげると、光輝が愛おしいものを見る目で俺を見つめていた。
「これは、俺の勲章です。今度こそ大切な愛しい人を守れたという、勲章です。だから、快人さんはもう自分を責めないでください」
「光輝……」
愛しさが込み上げてきてまた泣きそうになっていると、光輝が苦笑して俺の手を取って呟く。
「っていうのもあるんですけど……泣いてる快人さん見てるだけで、もう、イキそう……」
そう言いながら光輝は自分の下腹部の屹立へと俺の手を牽き寄せる。熱いそれが滴るように先走りをこぼして隆々と存在を主張している。
だから俺は小さく笑ってうなずき、傍らに置いていたコンドームを口に宛がって光輝の下腹部にうずくまるように屈みこむ。そして、彼を呑み込むように口付けながらゴムを装着してやったのだ。
「ッああ……ッはぁ……ヤバ……それ、すげぇ、ヤバい……」
「……ん、ッふ……よく耐えたな、光輝」
「だって、快人さんと一緒に気持ち良くなりたいですから」
互いに嫣然と微笑み合いながら口付け、俺はそろそろと光輝の下腹部の辺りに自分の秘所を探るように宛がいにいく。
やがて行き当たった硬い雄芯に口付けるように入り口を宛がい、俺は光輝と指先を絡ませるように握り合ったまま彼を呑み込んでいった。
声にならない嬌声が勝手に口からこぼれていく。熱が俺のナカを貫き更にそこから硬度と熱を上げていくのがわかる。
跨った姿で見おろした彼は恍惚とした顔で俺を見上げていて、俺はそれに応えるようにさらに身体を押し付けた。
「っは、あ、ん、あぁ、んぅ……光輝、どう……? 気持ち、い?」
彼を咥えこみ更に身体を押し付けるようにし、快感を煽るようにしながら問うと、光輝は俺の腰を掴んで自らもまた突き上げながらうなずく。
「気持ち、い……あ、あぁ……すごい……溶ける……」
「イキたかったら、イッていいから、な……あ、あぁ、っはぁ」
先程一足先に光輝の手でイカされたのが癪だったこともあってか、俺はそんな煽るようなことを言って笑いかける。
光輝は日頃体を鍛えているせいもあってか、腹筋のような体勢を取りながらも余裕で俺の奥へと突き上げてくる。その勢いの激しさがじわじわと俺の余裕を削っていくと言うのに。
さっきイキそうだとか言っていたのに……挿入してからも光輝は達するどころか、より性欲が増したかのように俺を求めてくる。ナカに挿し込まれた屹立も先程よりも明らかに存在感を増している気がするほどだ。
段々と俺は余裕が失われて生き、姿勢が崩れて光輝の上にしなだれかかるようになってきた。
繋がりあった所ではローションだけではないと思われる体液が絡む、下品な音があふれ始めている。
「快人、さん……気持ち、い、ですか……?」
「あ、あ、いい、いい、よぉ……っは、っや、あぁ、あ、や」
「こうやって、奥の方、突く、と……快人さん、きゅってして来ます、ね……ッ!」
「っあぁ! らめ、奥、らめぇ、あ、あぁ!」
数えきれないほどに屹立を呑み込んできたはずなのに、いま俺が呑み込んでいる熱はいまだかつてない存在感と硬度を兼ね備えた雄芯で、入り込むほどに体内が放すまいと抱き着いていく。
ナカが、光輝を覚え込もうとしている――その感覚が初めてで嬉しくて、彼に突き上げられながら視界が揺れて潤んでいく。
「光輝ぃ、愛して、ずっと……俺、愛してぇ……!」
「愛します、ずっと、快人さんだけを、いつまでも……!」
いつの間にか光輝も体を起こし、向かい合うような体勢になっていた俺らは、そのまま抱き合いながら互いを食べ合うようなキスをする。上も下も繋がり溶けていくような感覚に陥る。
互いの名前と愛の言葉を攪拌させながら肌を重ね、体液を交え、俺らはひとつになる。
俺が悲鳴じみた嬌声で啼いた瞬間、薄いゴム越しに光輝の熱が吐き出されたのがわかった。その感触が嬉しくて愛しくて、俺は初めてセックス中に意識を飛ばした。
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