1 【蔵の怪異、秘密のはじまり】

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 はじめは、怪異の持つ知識は人間のそれと違うかもしれないから、いろいろ聞き出せればなんて思っていたし、封印でなく倒せる術だって見つけられる発見できるかもと思っていた。  しかし、会う回数が嵩む度に、このオウカという怪異は何なのかという本質的な興味が刺激されていった。  そしてこのとき、楽しい気持ちというのが芽生え始めたのもまた事実だった。それは、身分や実情全てを曝け出し気兼ねすることなく話せる者など、オウカの他に一人たりともいなかったからに他ならない。  敵とも友とも言えない誰か。そんな存在になっていったのだ――
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