ショートショート

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──私にはスマホ越しの彼氏がいる。 私は中学校入学して間もなく不登校になった。周りが友達を作っていく中で、私だけが上手くやっていけずに気づいたら教室で、ひとりぼっちになった。 それがきっかけで、私は学校に行かなくなって、自室のお気に入りのぬいぐるみが置かれたベットの上で、同じ不登校仲間で仲良くなり、ネット交際している彼氏の連絡先が登録されたスマホでメッセージや通話をして過ごしている──。 ──チクタクチクタク、部屋に時計の針の音が鳴っている。スマホがメッセージを受信する。 彼 『起きてる?少し通話する?』 時刻は深夜0時、彼からのメッセージと通話の誘いに鼓動が高鳴る。 最近、彼からの通話やメッセージの頻度は減っていた──。 私 『うん、凄く寂しかった。お話しよ』 彼 『ごめんね、今、通話繋げるね』 メッセージの通知音が鳴りやみ、再びチクタクチクタクという音が目立つ。 ──早く彼の声が聞きたい、ぎゅっとぬいぐるみを抱える。 通知音が時計の針の音に重なってやってきた。スマホが震えた。 「もしもし、大丈夫?」 久しぶりに聞く彼の声が愛おしくて、胸が熱くなる。 「ううん、寂しかった。でも声聞けて嬉しい」 「ごめんね、最近忙しくて」
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