体育館裏にて

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体育館裏にて

 ああ、緊張するなあ。これって告白だよな。ああ、どうしよう。いや待て待て。まだわからないぞ。でもやっぱり告白だよなあ。  と、そこに夏希がやってくる。 「あ、来てくれたのね。嬉しい」 「あ、うん」  ああ、どうしよう。さっき背中を蚊に刺されたんだ。今んなってすげえかゆくなってきた。 「えっと、あの。もうわかっていると 思うんだけど」 「うん」  どうしよう。胸がドキドキして背中がかゆい。 「私、ずっと前から」 「うん」  早く言ってくれー! 背中がかゆすぎてやばい! 「佐藤くんのことが」 「うん」  早く、早く言えよー!! 時間かかりすぎだよー!! 背中かゆすぎておかしな動きしちゃいそうだよー!! 「す、……あの何やってるの?」 「え?」  は、俺としたことがあまりのかゆさにおかしな動きを。 「……ごめん、何か雰囲気ぶち壊しだからまた日を改めるね」 「あ、ちょっと待って!」  夏希がさーっと去っていく。  俺としたことがかゆすぎて失態をしてしまった! 「はあ……」 「佐藤くーん!」 「え?」  顔を上げると夏希が戻ってきていた。 「はい、これ孫の手。かゆかったんでしょ?」 「結婚しよう!」
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