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擦れ違いを感じる距離、交わすキスがどこか冷たくて、穏はそんな蓮のキスが怖く思えた。
短い様で長い月日を一緒に過ごして、時にはお互いの部屋で体を重ね合わせ、愛し合ってきた。
「愛してるよ」
何度も、何度も……声にならないくらい、よりもっと、呟いて……囁いてきた。
だけど、愛を囁くのはいつだって穏から。
蓮からは聞いた事はない。
「愛してる?」
尋ねてみても蓮は答えてくれない。
『恥ずかしいのか?』と、思った時もあったが、違うらしい……。
何度体を重ね合わせても、愛を囁いても、蓮が答えてくれる事は無かった。
「僕の目を見て、囁いて……」
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