ダメ学生

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 初めて親元を離れてする一人暮らし。初めは緊張感あり、わりと正しい生活を送っていたものの、それはもって3ヶ月。  落ちてしまえば、とことん落ちる。まさしく大学生の僕はそうだった。親の監視下を抜けた自由な時間。  大学から帰ると、すぐにゲームのスイッチをオン。夕食はゲームをしながら、コンビニで買ってきた弁当や菓子パンで済ませ、明け方まで狂ったようにテレビにかじりつく。  大学へ行く時間になっても、ゲームを止めることはできず、その日は欠席。  初めはまだ良かった。さすがにこれではダメだと、自制心が働く日もあった。しかし、誘惑が習慣化してしまうと、もうダメだ。大学へ行かなくなる日が増えるのに、時間はかからなかった。  もともと目的意識がないのだ。何のために大学へ行くのか?それがわからない僕には、こうなるのが必然だった。  僕はもの凄いスピードで、坂を転がって行った。もう誰にも止められなかった。
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