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大学1年目は、何とか出席日数ギリギリで進級できた。試験にはいくつか落ちたものの、再試でかろうじて引っ掛かり、周りに心配されながらも大学生活2年目を迎えた。
危機感はあったものの、一度ついた習慣は変えられなかった。結局、2年目の大学生活も堕落した生活を送り、今回は進級に失敗。僕は2回目の2年生を送ることになった。
さすがに凹んだ。でも、ただそれだけ。やることは一緒だった。不安を抱えながらもゲームに明け暮れ、食事はまともに取らず、風呂にもあまり入らなかった。
それでも最低限の授業には出席し、勇気を出して同じゼミの人にノートをコピーさせてもらい、2回目の2年生はこれまた滑り込みで進級できた。
気を良くした僕は、またもやゲームの渦にどっぷりと浸ってしまう。最終的に3年を2回やって、合計6年かけて何とか大学卒業に漕ぎつけた。
親は呆れていた。「まぁ遠回りしたけど、これでやっと肩の荷が下りるわ」父も母もほとほと疲れた声でそう言った。
問題はここからだった。卒業は決まったものの、就職先が決まっていない。かと言って、何の職業に就いてよいのか、僕はいまだに分からなかった。
24歳、無職。お金ナシ、もちろん彼女ナシ。
さすがに、これはヤバいだろ。
僕は決心した。
自分を変えるにはこれしかない。
ここを去ろう。もうゲームはやめだ。
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