シーツの波間

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シーツの波間

寝台に下ろされた私は、頬を濡らした涙を拭うランガス様から目が離せない。 白の騎士服はランガス様を際立たせている。 撫でつけられた髪も、熱を帯びた瞳も、吐く息の荒さも。 全てに魅了される。 騎士服のマントや上着を脱いだランガス様は、私を跨ぐように上になり、涙を拭った手は髪の毛に触れた。 髪をひと房、口元に持って行く。 口付けは髪から始まった。 それから額、目元、頬と繰り返される軽い口付け。 言葉が無くても、慰められてるみたいだった。 だんだん、グズグズ言ってた私の言い訳が取り除かれていく。 口付けの度に、ただランガス様が好きという気持ちだけになっていく。 そうすると、あとは胸が苦しいくらい高鳴っていく。 「…ミリー…君の事が好きだ…」 呟かれた言葉への返答は、重ねられた唇でかき消された。 早急な口付けは、直ぐに濃厚なものへと変わっていく。 私はランガス様の絡んでくる舌に応えるので精一杯で、合間でハフハフ息を吐き出す。 両頬をランガス様の両手で包まれ、口付けを受ける。 繰り返される口付けに、今まで覚えのない熱を自覚する。 口腔内の愛撫だけで、もうさっきとは違う意味で目が潤んでしまう。 「…触れるよ?」 首筋を吸われて、片手が耳の裏側を撫でている。既に翻弄されている私に、ランガス様がそう伝えた。そして言葉が吐き出された直後、早急な口付けとは相反して、優しく服の上から胸に手が添う。そしてゆっくり揉みしだかれる。 「…あぁ…ミリー…直接触れたい…」 そう言われ、背中を起こされる。ランガス様の足の上に跨ぐように座らされる。 ひゃっ!こんな格好…!! 好きな人に跨いで座るなんて…。 物凄い羞恥心の高まりに耐えれなくて、顔を隠すようにランガス様の首元に額をつける。 ランガス様は、背中に連なったワンピースのボタンを1つずつ外していく。 「…好きだよ…ミリー…。今は…流されてるだけでも良い…私を受け入れて…」 熱い吐息が混ざる、ランガス様の言葉が切なかった。そして悔しかった。 私がこんな事を言わせてる。 大好きなのに。毎日、ずっと思っていたのはランガス様なのに。 私はランガス様の首元で頭を振って、必死に違うと意思表示する。 「…違うのぉ…とても…ランガス様が好きなの…ランガス様が…もう私の事を飽きちゃって…いっぱい嫌いになられたら…」 「…そう考えて…泣いていたの?私が君を嫌いになるって?」 肩から顔を離され、正面から見つめられる。 私はコクンと頷く。自信を持ちたかった。けど、身の程を知っている。だからランガス様がすぐに私を飽きてもおかしくないと思った。 「…ねぇ…ミリー…。今、凄く苦しいよ…。私が君を嫌いになるなんて無い。誰よりも君が好きだ。泣いているのを見るのは辛い。…なのに…君が私を思って泣いたと聞いて…嬉しい…」 唇に軽く口付けが繰り返される。角度を変えて、何度も。軽く吸われて離され、また吸われて舐められた。 それが合図のように、舌がするりと入ってきた。 ワンピースの袖が抜かれ、身に纏う服が取り除かれる。 その間も口付けは続く。息絶えだえになっても繰り返される。 その口付けの間に、ランガス様は呟く。 「…ねぇ…伝わってるかい?…私のこのぐちゃぐちゃな想い…。君を大切にしたい…なのに…抱きたい…」 直接触れる胸への感触。暖かくて、大きな両手が私の胸を揉んでる。そしてランガス様の指が私の胸の先端に触れて擦った。 「ひゃんっ…」 思わず変な声が出てしまう。慌てて声を抑えるように両手で口を押さえようと顔に伸ばそうとしたが、ランガス様がまた口付けて、手がさまよった。 その間も、繰り返される胸の先端を擦る行為に、ジリジリと身体の中で熱が昂る。 「…んっ…んんん〜っ」 くぐもった声が漏れ、次第に止まらなくなってくる。 「…可愛い…気持ち良い?…目がトロンってなってる…」 唇が離れるとランガス様がそう言ってきた。 「…もっと感じて…」 ランガス様に触れられて固くなった先端は、今度は摘まれて指で捏ねるような動きをし始める。 それだけで、私は気持ちよさと恥ずかしさでポヤンとしてきた。気持ちよさを追う事しか考えられなくなっていく。 「…可愛い…もっと見せて…、私の知らないミリーを…全て知りたい…」 そう言うと、ランガス様の舌先が私の胸の先端を捕らえた。 チロリと舐められ、それを繰り返されたかと思ったら、今度は吸われる。短く何度も吸われ、舐められ、強く吸われる。 「あっ、あぁ〜っ!!…あ…だ、ダメェ…それ…あぁっ!!」 ランガス様は胸に舌を這わせながら、自分の服を脱いでいく。 そして一度離れる。シャツを脱ぎながら舌なめずりするランガス様は男性なのに妖艶で、そんな男性に組み敷かれた私を自覚するとそれだけで背筋に甘い疼きが走った。 再び覆いかぶさってきたランガス様の肌に、私の肌が触れた。 それだけで、もう気持ち良い…。 胸を漂っていた手は、脇腹やお臍、足へと降りていく。 触られているだけなのに、触れた所全てから電流が走るように甘い疼きが生まれる。 そして手を追うように、ランガス様の顔も降りていく。 たくさんの口付けが身体中にされていく。 そしてランガス様の手が足を持ち上げた。足首に唇が触れ、舐められ、そのまま足の指に這う。 「やっ!…ダメェ…ランガス様!汚い!そんなトコ…」 「…汚くなんかないよ?…全部…余す所なく、君に触れる…この喜びが分かる?」 そして口付けは足を辿り、太腿まで辿り着く。そして同時にそっと秘所に手が触れる。 「…ゆっくり…時間をかけて思い知らせるって約束だからね。…じっくり波にさらわれて、溺れさせてあげる」 ランガス様の熱を帯びた、熱い言葉は静かなのに私の耳に響いた。
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