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愛の語り×言葉責め?
背後からの声が怒っている。
そう感じた私は胸を押さえたまま固まった。
「…ミリー?」
「き…今日!初めて試着したんです〜!!…こんなに背中開いてると思わなくて…!!…その…怒ってます?」
少し怖くて、そろりと鏡越しにランガス様を見る。
ちょうど私の首元に額を擦り寄せているところで、表情が見えなかった。
「…怒ってない…けど、ちょっと…君には私の独占欲や執着心について学んでもらった方が良い気がしてきた…」
声が低くて、怖い…。なのにドキドキする。
ランガス様の口元が私の耳に寄せられた。
「…分かってる?」
囁かれる声にゾクゾクした。
「…こんなにも背中が見えて…隙間だらけ…。こんなドレス姿…今、どれだけ私が煽られてるか…」
首筋に噛み付くように口付けされ、ランガス様の大きな両手がドレスの中にスルリと入り込んだ。
ひゃっ!!っと思ったその時、その両手は私の胸を包み込んだ。
「…他の誰かが…こうする想像をする…。考えただけでも、嫉妬で狂いそうだよ…ね?ミリー…?君は…その可能性を考えた?」
そう聞かれ、私は必死で首を振る。
「…ひゃんっ!!」
首を振る私に構わず、ランガス様の指が私の胸の先を擦った。
思わず、私はドレスの上からランガス様の手を押さえるけど、全くもって抑止力にはならない。
「…都合よく考えるよ?…ほら…私の手を押さえてるその手…もっとって、強請ってるの?」
「…あっ、んんっ…ちがっ…違う〜!!」
すっかり私の身体はランガス様に暴かれている。
だから分かってるのに、わざと弱い所を弄ってくる。
「…でも…尖ってきてる…。もう…摘めるよ?」
背後からの声が少しずつ背中を辿って下に降りていく。
首の後ろや耳の後ろの口付けは、肩甲骨、脇腹へと動いているのに、ランガス様の両手はずっと胸にある。
背後のランガス様は膝立ちになって、私の胸を摘んで捏ねながら、背中へ口付けを繰り返している。強く吸われ、今何処を口付けているか直ぐに分かる。
「…やぁ…あっ…ん、...ん〜っ!!」
「…誰でもこんなふうになったら駄目だよ?…分かってる?」
「…あぁっ!…ランガス様だけぇ…!ランガス様しかイヤっ…!!」
鼻から甘い吐息が抜けていく。
ランガス様が立ち上がり、首の後ろのリボンに口を近付けた。
そしてリボンを咥え、勢いよく引っ張った。
するとドレスの前身頃はお臍の下まで滑るように落ちて、私の胸やお腹を露にした。
「…あ…」
鏡には、背後から私の胸を弄る最愛の人の姿が映る。
耳元に寄せられた顔。そして欲情が露になった瞳。
「…うん…そうだね…。こんないやらしい姿…他の誰にも見せては駄目だよ?」
私は必死になって俯きながら頷く。
ランガス様に見られるのも恥ずかしいけど、他の人とだなんて考えられない。
触れられるのはランガス様じゃなきゃ、こんなの耐えられない。
恥ずかしくて俯く私の顔を、ランガス様の大きな手が上に向かせる。鏡越しに、真っ赤になってる私が見える。
「…やぁ…、恥ずかしい…」
「…ちゃんと見て…。君の事を愛おしいと思って欲情している男の姿を…」
耳元で呟かれ、舌が耳に差し込まれる。そして耳朶を食まれる。
その行為に、身体がビクビクしてしまう。
「…もう着ない!着ないからァ!!…怒らないで…」
私はどうしていいか分からずに、言い訳をするかのようにランガス様に言う。
「怒ってるんじゃないよ。…君に好意を抱いた男がどうなるか…ちゃんと見て欲しいだけ」
ランガス様はそう言うと私の体を反転させ、そのまま縦抱きにして寝台まで運ぶ。
そして自分が横になり、私を自分の上に跨がせた。
「…何時もは私が、君を訳分からなくなるくらいとろとろにしてしまうからね。だから君は私がどうなるか知らないんだ。…どれ程君に欲情して、私が君に与えられる快楽でどれ程溺れるか…」
跨いだ箇所で、ランガス様の欲情の証が感じ取れる。
恥ずかしくて身動ぐと、ランガス様の口から熱い吐息が漏れた。
「…ほら、おいで…ミリー…、君が口付けて…」
艶かしい最愛の男がうっすら口を開け、舌先を覗かせて誘惑してきた。
クラクラする程の媚態に、逆らえる術など持ち合わせていなかった。
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