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「すいません。冗談です」 「もぉ〜いい加減にしてよねぇ」 「先輩、かわいいですね」 「わざと怖がってたのよ。葉月先輩も女性が怖がると喜んでいたから」 「なるほど」 確かに男なら彼女が怖がり抱きついてくるのは嬉しいかもしれない。 それから街をブラブラしながら食べ歩きをした。 4店舗をハシゴをしたので、お腹いっぱいになった。 そんな僕を横目に、先輩は「締めにスイーツが食べたい」と言ってソフトクリームを食べていた。 もちろん僕も食べさせられた。 食べ歩きを終えると、古着屋に入って先輩のチョイスで幾つかの洋服を買った。 元カレが着ていた服と似たような物のようだ。 この日は最後にスタバに寄った。 僕はダークモカチップフラペチーノ、先輩はキャラメルフラペチーノを飲んだ。 店を出ると既に外は暗くなっていた。 イルミネーションが輝く並木道を歩いていると、ドラマの世界にでも来てしまったかのようだった。 隣を向くとテレビに出てくる女優と引けを取らないくらい美しすぎる先輩の横顔が目の前にあった。 「なに?」 「いえ、何でもありません」 「何だよぉ」 「先輩と一緒にいられて幸せです」 「わたしも」 そう言うと、先輩はさりげなく僕の手を取って恋人繋ぎをしてきた。 駅でバイバイをするまで、ずっと手を繋いでいた。 緊張して汗ばんだ手を、先輩に気付かれないか心配だった。
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