記憶屋

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「あと具体的に何年何月何日と決めてもいいですし、どういう日に封印を解くと決めて頂いても結構です。また、封印は期日よりも前に解く事は出来ません」 「そうしたら、私が結婚したら封印を解けるようにして下さい」 「承知しました」 僕はこれから使う記憶箱に【結婚をしたら解放】と記入した。 「では早速始めます」 「はい…」 彼女は涙を流していた。 気持ちはわからなくもない。 僕はベンチに座る彼女の前に立ち、頭に手をかざした。 数十秒後、彼女の頭から白い煙のような物がモクモクと現れた。 すかさず持っていた記憶箱の蓋を開け「Хотираи худро мӯҳр кунед.」と呪文を唱えると、白い煙は木の中に吸い込まれていった。 煙が全部入ったのを見計らって蓋を閉めた。
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