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帰りにそのまま僕をアパートに送ってくれるのかと思ってたのに。
まあ、そのままおとなしくコーマが僕を送って何もせずに帰るとは思えなかったけどね。
だけどさ…。
グインと急に車は左折し、通りすがりの薄暗い建物の下に滑り込んだ。
たまたま目の前に見えてきた大きな道沿いのホテル。
うわ。こーゆーとこ入るの、初めてだよ…。だって僕は生まれて一度も彼女がいたことなんか無いし、男の人とこうして付き合うのもコーマが初めてな訳で。当然コーマとこういうところに来るのは今日が初めてだ。
気がつけばいつからか僕たちこんな風に付き合うようになって、コーマに夢中になってた僕がこうして抱かれるのは大体いつもコーマのマンションがほとんどだったし、たまにうちに送りに来てはうちの狭いアパートでそんな風になることもあるけど。
こんな風に、ソレ目的で勇んで建物にヤるために入り、今からしますよみたいな、こんなのって。
なんか、恥ずかしい…
ドキドキが止まらない…
キョロキョロしながら恐る恐る後をついてく。
ギラギラとした照明がいやらしく部屋を照らす。
「あ、先にトイレ…」
ドキドキしながらとりあえず用を足す。大きく深呼吸してる僕はまるでなにも知らない穢れ無き処女の気分だ。
トイレを出たけれど、どこにいていいのか分からず立ち止まってると。
上着を脱いだコーマがそばに寄ってきて両腕を掴まれ丸いベットの上に僕を抱きかかえるような格好で少し乱暴に放り投げられた。
ベットのスプリングが軋んで体が仰向けに弾み、背中から沈んだ。
床から天井までの大きな全面鏡がそんな僕たちを映してる。体を起こした僕は鏡の中の僕と目が合う。
大きな鏡に映る僕の不安そうな顔がこっちをみて仄かに頬が赤らんでる。
ベットの脇でカチャカチャと忙しくズボンのベルトのバックルを外す音が聞こえる。
「え…、あ…、ちょっと待って。シャワー浴びて…」
ガラス張りの向こうにシャワーが、見えたからあわててそっちに向かおうとした。
靴も履いたままだった。床に足をそっと下ろそうとしたら手が延びてきて僕の足から靴をむしりとられ放り投げられた。
そのまま膝をついてコーマがベットに乗り上げてきた。ベットが沈む。
「いいよ…そんなの後で…」
コーマがいつになく余裕の無い顔をしてる。そのまま僕の首もとに顔を埋めた。
「よくないってば…。」
僕に絡み付いてくるコーマの体をなんとか押しやり立ち上がった。
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