離れたくない♡僕たちは…(爽side)

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 今日は汗もかいたし、先にシャワーを浴びたかった。その手をすり抜け思わず逃げるようにしてシャワールームに向かう。  あーもう、どうしていいかわからない。だからとりあえず一旦落ち着きたいのに…。 「じゃあ…俺も一緒に入る…」  だって。  結局一人になんかさせてくれない。  だから余計にドキドキして今にも心臓が爆発しそうだ。  トコトコとうしろをついてきたコーマが歩きながら僕よりも先に張り切って服を脱ぎ捨て放りだし、スルリとバスルームに入ってきた。  いつもみたいに優しく抱き締められて。いつもみたいに二人でひとつのシャワーを浴びて。いつもみたいに僕の体を泡だらけにしてコーマが撫で回す。  やっと少しだけ落ち着いてきた。  場所は変わってもまあ、やることはいつもと一緒か…。  いつもの瞳が僕を見つめてくる。  あー。今日も変わらずカッコいい。  さっきの昔話を聞いてときめいたせいでなんだか今日はいつもより余計にカッコ良く見えてる。  こんなにカッコ良くて大好きなコーマがこうして僕だけのものになるなんて。考えたらすごく不思議だ。  あんなに昔から実は僕たち、思いあってたなんてさ…。  あんなに僕の事をコーマが好きだったなんて…。そんなに想われてたなんて…。こうして僕のものになるなんて…。  そう考えるだけで身震いがした。 『我慢できない』だなんて。  今日の余裕の無い焦ってるみたいなコーマの顔が本当に愛おしい…。  最初はちゃんと僕の体を洗ってくれてたけど、そのうち手の動きがいやらしく変になって。  コーマの目付きがみるみるうちに変わっていく。  その色めいた瞳と息づかいに溺れてうまく息ができない。コーマの視線と近づいてくる雰囲気が甘すぎてそれだけで酔いそうだ。 「爽ちゃん…」  ただ名前を呼ばれただけなのに、耳の奥が震える。その囁くような声が甘すぎてもう、気を失いそう。  もう、ここからは大人の時間。  こんなにエロい雰囲気の場所だから余計にそう思うのかな。  なんだか急にすごく大人になった気分。  これからシますよって、それ目的で入ったからなんか構えちゃうし…。  さっきまでのじゃれ合うような僕たちのフランクな会話は無くなり、無言なままコーマがしっとりとした目で僕を下からなめ回すように見てくる。  コーマの熱い息が僕の耳を擽り、上擦った声を漏らす僕に反応するようにコーマの息づかいが段々激しく荒くなる。その息づかいを聞くだけでこっちまでドキドキしてくる。  熱くなったコーマの唇が僕の顔や首や体を這いまわり肌の表面にゾワッと鳥肌が立つ。  散々こんな風に今までもしてきたはずなのに、いつまでたってもちっとも慣れない。それどころか、今日はなんだか何もかもが初めてスるみたいな気分だ。  毎回こうして色気を振り撒くコーマにいい加減、慣れてたはずなのに。    なんで今日はこんなにドキドキするんだろ。  どうしようもないくらいドキドキしながら、今夜のそんなコーマになんか戸惑う。
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