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8. あの初恋をもう一度
私と真琴君の間には沢山の秘密が隠されていた。
それでも、私達の気持ちは変わることなくここまで乗り越える事が出来た。
きっと、神様からの試練だったのだと私は思っている。天国から見守ってくれている陽奈さん(母)
の為にも日々を大切にしていきたいと思った。
ところで、真琴君からのプレゼントの中身はというと、手紙とお揃いのキーホルダー、そして写真だった。
ちなみに、手紙は冬休み終わりの学校の靴箱に入れてあったの。笑
気を取り直してっと。
手紙には、
「Dear 萌寧
驚かせたい事があり、君に手紙を書くことにしました。俺の父さんから、萌寧との繋がりを過去の事を全て聞かされ最初は驚きを隠せませんでした。でも、それと同時に過去の記憶を取り戻すことが出来ました。
萌寧との初恋を想い出をしっかりと取り戻せて、俺は嬉しくて思わず泣いてしまいました。あの頃の俺達はまだ幼くて、気恥ずかしくて本音を結局言えずにいましたね。
だから、今改めてこの手紙に書きます。俺と一緒に、もう一度あの頃の初恋をしませんか?
返事を待っています。
By 真琴」
真琴君、記憶が戻ったんだ。大迫真琴君だった頃の⋯。
今すぐにでも会いたいけれど、真琴君は部活に入ってるから手紙を靴箱に入れて帰ろうかな⋯。
私しか居ない、放課後の教室は静かで落ち着く。
なんて書こうかな?
「Dear 真琴
お手紙、ありがとう。記憶が戻った事がすごく嬉しくて涙が出ちゃった。
私ね、真琴君と異父兄弟だと知った時運命なんじゃないかって正直思ってたんだよ。だって、こんなにも大好きな真琴君と繋がりがあって嬉しくないわけが無いからね。
それと、真琴君。
私、あなたのことが大好きだよ。だから、もう一度あの頃の初恋をやり直したいです。
By 萌寧」
少し、おかしいところもあるかもしれないけど私の精一杯を込められたと思う。
放課後の教室を出て、靴箱へと向かう。
少しの緊張を感じながら、真琴君の靴箱へ入れた。部活が音楽部だから、必ずここを通る。
「これから先も、よろしくね。」
そう言って、手紙を入れた。
駆け足で外へと出ると、そこには雲ひとつない青空が広がっていた。
懐かしい記憶を振り返るように、私は真琴君との思い出をまた、最初のページからめくっていた。
ー まるで一冊の本を読んでいるように。
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