古城

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 さあ。夜明けの始まりだ。 ここから始まるわけではないが、ただちょっと言って見たかった的な?? 僕らの夜明けは、始まりというにはほど遠い、終わりの時である。僕らの始まりは、世の中を揺るがすことがあっても、おかしくはないと豪語できるくらいには、自分の今の仕事に誇りを持っている。自分自身には、誇りも何も、信用さえしてはいないが。  あと十分で夜明けである。ここまで長かった。今日は本当に長かった。いろいろなことが一夜に起き過ぎた。やっと今日が終わってくれる。 特大でかでかため息とともに、あくびも一緒に出るというプチ怪奇現象が起きる。なにこれ、すご。おもろ。こんなことおこるんだ。生きていてよかった。 変なところで生きていてよかったと、実感する。普通なら、今生きていることに感謝するであろうが、もう、慣れてしまった。この生活に。 やっぱ人生、日常を超えることが大事だなぁ。と、訳が分からないことに納得する。 夜明けまでのこり10秒。 あと十秒で、俺は明日も生きられる。 あと十秒で生きられることが確約されるなど、昔の俺では考えられないなぁ。 朝日が昇り、夜明けを迎える。 俺の周りにはいくつもの屍と武具。血まみれの惨状である。
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