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「商業施設ブランド部・課長の有田です。どうぞよろしく」
「同じ課の水森です。よろしくお願いします」
「同じく商業施設ブランド部の早川美咲です。よろしくお願いします」
有田は眼鏡をかけた真面目そうな40歳前後の男性。
水森は30歳前後の爽やかな雰囲気の男性。
そして唯一女性の早川美咲は、
花純と同世代のように見えた。
三人は花純にニコニコと微笑んでくれる。
これから三ヶ月、
花純はこの三人と共に空中庭園の改良プロジェクトに携わるのだ。
三人とも愛想の良い人ばかりだったので、花純はホッとする。
プロジェクトを実行する上で大切な事は人間関係だ。
チームとして動く場合には特に重要なので、
感じの良い三人を見て花純は安堵した。
「じゃあ自己紹介も終わったので座りましょう。とりあえず少し小腹も空いたでしょうからサンドイッチでも食べながら話し合いを始めましょう」
優斗がそう声をかけると、若い水森と美咲は声を上げて喜ぶ。
「うわぁ、嬉しい! さすが専務、気が利きますねぇ」
「ほんと、腹減ってたから助かります」
「残念ながらこれは副社長からの差し入れだよ。俺は使いっぱしりに行って来ただーけ」
優斗が笑いながら言うと、二人は「えっ?」という顔をしてから、
「「副社長、ご馳走様でーす」」
と笑顔で言った。
「ん、遅くまで残ってもらってるからな。じゃあ食べながら話を進めようか」
壮馬はそう言うと、自分も席に着きコーヒーを一口飲んだ。
皆が飲み始めたのを確認してから、
花純もコーヒーに砂糖とミルクを入れる。
花純がコーヒーを飲む時は、砂糖とミルクが必須だ。
その様子を、壮馬はしっかりと見つめていた。
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