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ことの始まりは、波瑠の親友で、渋谷課長と同じ、県庁の都市計画課に勤めているミナミの情報からだった。
「波瑠、、。最近、渋谷課長に変わった様子はない?」
ミナミが、いつものモスバーガーで、口を切って話し出した時、波瑠は、まさか、こんな信じられない話だとは、思わなかった。
「え? どういう意味? 渋谷課長は、いつも通り、カッコいいわよ」
波瑠は、自慢の旦那さまを誇らしく思って言った。
「だからあ、その過信が、事態を悪くしてるのよ」
「え?」
ミナミは、テーブル越しに、波瑠に詰めよった。
「渋谷課長が、浮気してる! それも、今年、入庁したばかりのピチピチの女子職員と!」
「えええっっ?!」
波瑠は、モスバーガー中に、響き渡る悲鳴のような声をあげた。
「で、ど、ど、どんな女なの? そのピ、ピ、ピチピチは?」
波瑠の声は、上ずった。
「名前はね、、」
「う、うん」
「さいきょう かつよ」
「ええっ?! 最強 勝つよ?!」
ミナミは、プッと笑った。
「あんた、何か、漢字変換がおかしい気がする、、。さいきょうはね、西の京で西京、、でかつよは、花の華にさんずいの津に世の中の世」
「西京華津世、、か」
波瑠は、ちょっと、安堵した。
初っぱなから、「最強勝つよ!」
と、宣戦布告されたか、と思ったのだ。
しかし、ミナミは、さらに爆弾発言をした。
「それに、『都市計画課の渋条を愛でる会』もあなどれないわよ」
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