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県庁は、八階建てで、南館と北館があった。
渋谷課長が勤める、そして、もと波瑠の職場でもあった、都市計画課は、北館の七階にある。
波瑠は、北館の前の横断歩道を渡りながら、持っているお弁当箱を握り締めた。
波瑠は、渋谷課長の不倫相手だという西京華津世と新条課長補佐に会うため、渋谷課長に、追加のお弁当を渡すという目的を作って、県庁まで来たのだ。
ああ、、!
ドキドキする、、。
波瑠は、そのことに気を取られて、横断歩道の信号が、赤に変わっていることに気が付かなかった。
キキーッ!
トラックが、横断歩道に突っ込んで来た。
「きゃーーー!!!」
波瑠は、悲鳴を上げた。
轢かれる!
そう、思った時、誰かが波瑠を抱えて、横断歩道を走り抜けた。
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