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波瑠は、誰か助けてくれた人物の腕の中で、気を失っていた。
「おいっ! お嬢さん、大丈夫か?!」
そう、声を掛けられながら、揺り動かされて、やっと気が付いた。
逞しい腕の中で、目覚めた波瑠は、その人物を見上げた。
短髪に、精悍な顔つきをした、三十代くらいのイケメンだった。
波瑠は、慌てて、お礼を言った。
「あ、ありがとうございました、、」
そうして、立ち上がろうとしたが、腰が抜けて、立てなかった。
すると、そのイケメンが、いきなり、波瑠を抱え上げた。
イケメンは、ガッシリとした体格で、背が異常なくらい高かった。
「きゃーーー!」
また、波瑠は、悲鳴を上げた。
「お嬢さん、落ち着いて。どこに行こうとしてたんだい?」
波瑠は、落ち着こうとして、息を整えてから言った。
「あの、、そこの県庁の北館の都市計画課に、用があって、、」
波瑠が、そう答えると、イケメンは、驚いて、首から掛けていた職員証を見せながら言った。
「都市計画課に用があるのか? 奇遇だな。俺は、こういう者だ」
イケメンが、見せた職員証には、
【県庁都市計画課・課長補佐 新条剣太郎】
と、書かれていた。
えええっーーー?!
この精悍イケメンが、渋谷課長の不倫相手のゲイ?!
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