【完結】旦那様が浮気💘をしています!

9/15
前へ
/15ページ
次へ
「そのお弁当対決判定人、あたしが引き受けるわ!」 そう、凛とした声がした。 波瑠が、振り向くと、ミナミが仁王立ちしていた。 そうだった! 都市計画課には、親友のミナミがいたのだった。 こんな、力強い味方はいない! しかし、西京華津世は、ミナミを一瞥すると、言った。 「南主任は、渋谷課長の奥さんの親友でしょう? フェアじゃないわ!」 むむっ! ミナミが親友であることまで、バレている。 西京華津世は、新条を見て、言った。 「剣にぃ、、いえ、新条課長補佐が、お弁当を食べ比べて、どちらが美味しいか、決めて下さい!」 西京華津世の命令のような提案に、新条は、困惑した表情になった。 「いや、俺は関係ないから、やはり、渋谷課長が、決めるべきだろう」 「何言ってるんですか?! 渋谷課長だったら、奥さんに勝たせるに決まってるじゃないですか!」 渋谷課長は、この思いもしない展開に、動揺して言った。 「西京君、ここは、仕事場なんだから、そういうことは、、」 その渋谷課長を、西京華津世は、睨んで、叫んだ。 「渋谷課長は、黙ってて下さい! これは、女同士の真剣勝負なんです!」 「え、、はい、、」 渋谷課長も、西京華津世の剣幕に何も言えなくなってしまった。 そして、西京華津世は、波瑠に向かって言った。 「この勝負に勝った方が、渋谷課長を手に入れるんです!」 「は?」 渋谷課長は、ポカンとしていたが、波瑠は、秘密の料理道具で作ったお弁当が負けるはずない、と強く自信を持って言った。 「いいわよ!」 そして。 丁度、昼休みになった。 何故か、都市計画課の部屋の前に、女子職員の人だかりが出来ていた。 波瑠は、何ごとかと、ミナミに訊いた。 ミナミは、言った。 「ああ、あれが、『渋条を愛でる会』の腐女子たちよ。昼休みになると二人を見に来るのよ」 それから。 大勢の観客の中、渋谷課長を賭けた本妻と不倫相手の女同士の、お弁当対決が、始まった!
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加