うるさいヤツ

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うるさいヤツ

暖かな春の訪れが感じられる今日、、、、、、 クソ長い校長のあいさつが式の大半を占める入学式が終わり自分の席に着く 高校は地元から離れ知り合いが誰もいない学校にした 周りは同じ中学の人と話している人や、新しいクラスの人と連絡先を交換していたりする 運良く窓際の一番後ろの席を手に入れた俺は席に座りぼーっとひらひら散っていく桜を眺めていた そんな俺に誰も声なんか掛けないし、俺はそれを望んでる 誰の目にも止まることもなく、いても居なくても、まるで最初から存在しなかったみたいに そんなふうに3年間が過ぎていけばいい 「ねぇねぇ」 「、、、、、、、、、、、、」 「おーい、聞こえてる?」 「、、、、、、、、、、、、」 「ねえってば!」 いきなり目の前で手のひらをヒラヒラされ、視線をその手の主に向けると、どうやら俺に話しかけていたらしい 「やっとこっち見たー ねぇ、きみ名前は?僕は森崎奏真!」 「、、、、、、、、、木之元尊」 「みこちゃんかぁ」 「、、、、、、みこちゃん?」 「そう!だって名前みことでしょ?だからみこちゃん!」 「あっそう」 俺に話しかけてきたのは森崎奏真というらしい 背は低めで、ぱっちりした目、茶色のふわふわした髪 女子がよくいう可愛い系男子とやらに分類されるのだろう 俺はまた窓の外に視線を戻す 「あっ!ねぇねぇもっとお話しようよー」 、、、、、、うるさい 「、、、、、、俺なんかと話しなくても、お前もっと他にいるだろ。話せるヤツ」 「んー、だって《しゅんちゃん》も《しんちゃん》も《りっちゃん》も別のクラスなんだもん」 しゅんちゃん、しんちゃん、りっちゃん? 誰だよそいつら 「それに、僕が今話したいのはみこちゃんなんだもん」 もんって言われても 「なんで俺なんだよ」 「んー、友達と話したいことに理由なんている?」 やめてくれ 友達とか仲間とか 俺にはそういうのは必要ない 「お前と友達になった覚えはない」
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