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あたしの身長年齢体重から弾きだされる基礎消費カロリーは一日あたり約1,300キロカロリーで、だけどあたしはいまどん底のそのまた先のどんどんどん底あたりいるわけで、なにを食べてもカロリーが蓄積されるわけがない。
すなわちカロリーゼロ。
バケツいっぱいに詰められたポテトを反復運動がごとく口に運びながら、そう結論に至る。
推しが消えた。あたしが死んだ。
ツナくんの消えた世界は無着色無香料無味無臭で、すべてがさーっと透明だ。塩増し増しで頼んだポテトですら物足りなくて、投げやりにケチャップにダイブさせてみても赤くなっただけでなんら変わりない。
どうして解散しちゃったんだろう。どうしてそのまま引退しちゃったんだろう。どうしてあたしはもっとはやく三毛猫迷宮に出会わなかったんだろう。
ああもうやだ。ぜんぶやだ。ぜんぶぜんぶやだ。
雲ひとつない嘘くさい空も、河川敷に舞い散る桜の花びらも、ローファーに侵入した小石が靴下越しに地味に足裏をいたぶるのも、ポテトをバケツ半分、ナゲットをバケツ半分というハーフアンドハーフにしなかった自分の発想力の乏しさも、ぜんぶぜんぶやだ。
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